課長の品格―信頼と尊敬を得るための31の方法

○課長の品格―信頼と尊敬を得るための31の方法


タイトルはなんだかよくある自己啓発っぽい平凡な感じなのですが、結構ちゃんとした内容です。
この本は先日中央大学ビジネススクールの公開講座にいったときに引用されていた本です。


著者の梅島氏は在日米軍においての人事訓練キャリアなどから、日本でのMTP(Management Training Program)の普及に貢献した大ベテランのようです。


このMTPは1940年代に在日米軍で開発されたもので、団塊世代には懐かしく思われるほどに彼らが課長職に昇進したときのトレーニングによく用いられていたとのこと。
ただ、その内容は今なお古びていないように私には感じられました。
時を経て、環境が変化しても、管理職として押さえるべきポイントに変わらない部分もあるのでしょう。


組織の長としての、上司、部下、横の組織との付き合い方やメンタリティについて説明しています。


この本は課長職になる/なりそう/なっている人のために書かれているのだと思います。
本当に基本の「き」(だからといって実践することが容易なわけではなく)について、書かれています。
一読の価値はあるでしょう。


一方、管理される側も一読の価値はあります。
私も管理される側ですが、これを読むと「課長って大変だなぁ/つらいなぁ」とか「上手く扱ってもらってるけど、自分が自分の上司だったら面倒くさいだろうなぁ」とか感じられます。
課長職の役割と苦悩を理解することは、管理される側にとって重要なことです。
今求められていることが、どのような背景から出ているのかを推測しやすくなるでしょう。
また、「管理」ということがどのような意味を持つのかをしることも有益でしょう。
そして、上司のタイプを知ることもできます。どのマネジメントが得意で、苦手なのか。
「そっかぁ、苦手だから仕方ない。ここは俺がフォローしよう。」
なんて、思えればステキですね。


よく、「自分の2段階上の役職の目線で物事を考えろ」など言われますが、1段階上の役職を理解することで、より円滑な関係や達成目標の到達確率が増すのではないでしょうか。