JIMSに行ってきた

日本マーケティングサイエンス学会の研究大会に行ってきました。


場所は汐留の電通ホールだったのですが、なかなか入り口が見つからず初めの2つの講演を聞き逃してしまいました。。。


各研究とも興味深いものが多く、自分自身の課題と照らし合わせるインスパイアされるものが多かったです。


ウチのデータを使った研究もあったのですが、残念ながらあまり購買データのハンドリングが上手くなされておらず、結果として表面的な相関を見るに留まっていた感があり、なんとなく勿体ないなぁという気持ちになりました。


特に印象に残ったのが、早大・八島先生の「スイッチングコストの削減によるプロモーション効果」と早大・豊田先生の「テキストマイニングにおける飽和感の指標としての捕獲率」でした。


前者は非常に上手く研究計画が立てられており、おそらく多くの人が短時間のプレゼンで深い理解ができる内容だったと思います。
実務的にもインセンティブなのかスイッチコスト低減なのかが議論される機会は多く、また価格を0円とするようなインパクトについても理論的、経験的な傍証を得たいと考えている人は多いでしょう。
掘り下げようと思えば、様々な視点から掘り下げることができる課題で、それぞれの知見が実務においても重要性を持つであろう、非常に良い課題設定だと感じました。


後者は非常に多くの示唆に富む研究です。テキストから得られる質的情報を捕獲率という観点で効率的に情報処理する方法を提案しています。
通常、テキストマイニングとして想起するような分かち書き→サマリするアプローチには、情報の抽出という観点からは(特に日本語の場合には)限界があります。
文脈を踏まえた定性的な分析を行うには、ある程度、生のテキストを読む必要があります。
一方で、すべての生データを読むのはハードでコストがかかります。
このときに理論的飽和度が予めわかっていれば、効率的に情報を処理できるという考え方です。


現在、従来以上に大量のテキストデータの分析に直面している我々にとって、このアプローチは色々と応用可能性があるように思います。
分かち書きからのサマリをトレンドで見て量の視点から「世の中の波」を見るアプローチ、そして、生のデータを効率的に取得して「世の中の波」見るアプローチ。
後者のアプローチに対するヒントが得られた気がします。