集合知の低下

○意見共有で「集団の知恵」が低下:研究結果

スイスのチューリッヒ工科大学の数学者Jan Lorenz氏と、同社会学者のHeiko Rahut氏はこのほど、集合知に関する最新研究を行ない、被験者に、他の被験者が考えている推測を教えたところ、集合知が低下するという結果になったと発表した。


自明のように思えましたが、なるほど、確かに興味深い結果です。

研究チームは、精度の低下は3つの効果によるものとみている。1つ目は、彼らの言う「社会的影響」だ。これによって、人々の意見に多様性が乏しくなった。2つ目の効果は、「範囲の縮小」だ。数学的に言うと、正しい答えが推測範囲の境界的な位置に集まったことを意味する。そして、これらすべての要素に拍車をかけたのが「自信の効果」、すなわち、被験者たちが自分の推測により確信を深めたことだ。


これは逆に読み解けば、集合知は予測変数のとりうる値の多様性が重要となるということでしょうか。
他者の情報がインサートされることで、その多様性が複数のデータ観点から失われることで、結果的に予測精度が低下した。
一人ひとりの推測に対する確信度は上がっているのに、結果は逆。
これは本当に面白いですね。


こうした現象は集合知のみならず、僕たちが取り扱うデータにも隠れていそうですね。