サンプルサイズの表記

ライオンさんのプレスリリースがtwitter上で流れていました。


〇徹底検証!トイレをキレイにすると本当に "いいこと"がある!?"トイレをキレイにしている人"は「モテ度」や「年収」が高い!


内容もキャッチーで、因果関係の解釈とか話題の広がりも豊富になりそうな内容です。


…で、僕が気になったのはグラフに表記されている「N」。
これはサンプルサイズ(標本の大きさ)*1を意味する表記のようです。


この表記はよく見かけるのですが、あまりよろしくありません。
「N」(ラージN)は母集団の大きさを表す表現です。
標本の大きさを表すには「n」(スモールn)を用いるのが数学、統計学の常套です。


今回のプレスリリースも(おそらく、というか確実に)標本の大きさについての言及なのですから、「n」をnotationとして用いるべきです。


表現上のちょっとした問題なので、データソースの価値や言及している本質には何ら影響はありません。
我々実務家は、そういった問題を「軽視」する傾向にあるように思いますが、知っている限りは気をつけたいものです。


今日はここまで、

*1:サンプルサイズ、という表現に関しては、以前にslowtempo名義で、マーケティングリサーチの寺子屋さんに寄稿しました。