エスノグラフィックリサーチを知る

昨日はtwittcherの会に参加。


「エクスペリエンスデザインと観察調査」というお題で、株式会社インフィールド・デザインの佐々木仰さんにご講演いただいた。


デザイナーという職業からなのか、シュッとした立ち姿でいらっしゃり、語り口調も柔らかく「かくありたいなぁ」と感じる。
まぁ、似ても似つきませんけど(泣


さて、内容ですが従来のデザインとは異なり、モノと人の間に「経験(エキスペリエンス)」を構築するために行う調査についてお話いただきました。


所謂、市場や消費者の全体像を把握するリサーチというより、「利用者に素晴らしい経験を体験させる」きっかけを見つけるリサーチですね。


豊富な海外事例とご自身の関われたプロジェクトからエスノグラフィックリサーチのエッセンスをご説明。
初めて聞く事例も多く参考になるものばかりでした。


また、「LOOK」、「ASK」、「TRY」というポイントごとに、手法を紹介いただきました。

LOOK⇒現場での行動観察、ビデオによる定点観測
ASK⇒訪問インタビュー、写真日記、セルフドローイング(絵画法)、座談会
TRY⇒ロールプレイング、プロダクトジャーニー


ASKは従来よりリサーチ会社も手がけているところ。
個人的にはLook、TRYによるインサイト探索が近年見直されているのかなぁ、と感じました。


また、色々考えさせられたのはクライアント参加型のワークショップが効果的ということ。


データを取る段階の対象選定や調査を通じてとるデータの質も重要なんでしょうが、このフェーズが非常に重要に感じました。
多くの定性調査でもインタビュアー、モデレーターの力に調査の成否が影響されます。
ここでいう力って、技術的なことだけではなく、当該分野に対する経験・引き出しも含んでいると思います。
つまり、インサイト探索においては、データの測定対象(対象者)以上に、測定器(測定者)の重要度が高まるのではないか。
そんな風に感じます。


クライアントは当該の問題に一番コミットしている人たちです。
測定器としては、一番相応しい人といえるでしょう。
モデレータがワークショップを上手くリードしながら、リサーチ結果を手懸りに、豊富なインサイトのタネを内に秘めているクライアントから抽出する。


インサイトは対象者の中だけでなく、調査者の中にも多くあるのではないか。
お話を聞いていて、そんな図式が頭に浮かびました。
戯言に近いですが(笑


今日はここまで。