JMRAトピックスセミナー:サマリ

首題のセミナーに行ってきたので簡単なサマリーを。
感想については明日、改めて書きます。

スピーカー:ミシガン大学 M.Couper教授

■講演内容

・2003年以降、米国・ヨーロッパではアクセスパネル市場が急成長。現在は衰退期にある。(Japanはまだ衰退期ではないだろう)

・モニターソースがover-saturationを向かえている(調査のコモディティ化
 →プロ回答者の疑い、調査慣れの増加、モニターベンダー社の保有パネルの重複、回答率の低下

・非確率抽出サンプルは確率抽出サンプルに比較して、混入する誤差が大きい
 →官公庁データなどとの比較から

・事後層化調整については、真の値から乖離する方向にウェイト付けされる恐れもある

・リバーサンプリング
 →アクセスパネルを釣堀と捉えるなら、川釣り
 →バナーなど入り口を特定のポイントに仕掛けて、リクルートする(基本的に単発の調査)
 →モニターの回答慣れを防ぐ
 →調査対象者層に近いところに入り口を仕掛けるのがポイント

スペシャリティパネルについては市場代表性に問題がある

・SocialMediaを活用したリサーチも提起されている


■質疑
・パネル劣化への対応
 →調査数のコントロール、項目数のコントロール、飽きさせない工夫、シンプルな調査デザイン、フィードバック(感謝や使われ方)する

・不正や虚偽回答が発生するのは、モニターのせいではなく、調査サイドの調査設計が誘発しているのではないか?

・不良モニターの検出:IPアドレス、住所、TEL+E-mailアドレスでマッチング
 →トラップ設問:架空ブランド、レア商品保有、マトリクス同一選択肢回答、同一項目の反復再現性、CHK指定、所要時間短い
 
 →検出よりも予防が大事
   -インセンティブを高く設定しすぎない(儲け目当てのモニターを除外する)
   -スクリーニングゲームで遊ばせない
   -回答を教養しない
・mixモード
 →Webによる調査であることは、回答率の上昇とは関係ない
 →モードが選択できることは回答率を下げることもある
 →モードを選択させるとWebが選択される
 →Webと電話調査の回答傾向は異なることが多い
 →mixモードはアクセスパネルの諸課題の解決とは別問題である