ビジネスマンのための「行動観察」入門

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)


大阪ガス行動観察研究所・松波氏による著書です。
豊富な事例を中心として様々な行動観察の方法を感じ取ることができます。
方法論や理論に重きを置いていない構成で、ドキュメンタリー感覚で行動観察とその効用について理解できることでしょう。
「行動観察って何さ?」という人が読んだり、行動観察を知らない人に勧めたりするための「入門の前の入門」としてオススメです。


多分、本書を手に取った人(特に調査関係者)は「理論的な背景や実際の方法・Tipsなどが物足りない」と感じることでしょう。
私見ですが、行動観察の技法は実践を通じて学ぶことになるでしょうし、発見や解決策を考え出すには技法以外のベーシックなビジネススキルが必要になるように思います。
これは、なかなか書籍だけでは表現できない部分が多いため、本書のような行動観察の間口を広げる切り口は評価できるのではないでしょうか。


先日書いた「定量分析者にもエスノは有効」という記事も、本書から読み取れることであり、行動観察をサービスとして提供するだけでなく、そのエッセンスを自身の仕事に取り入れていくことだけでも有効であるように思います。