定量リサーチャーはエスノグラファーでもあることがよい

書いてみると当たり前のことなのですが、大事なことだと思うので書いておきたいと思います。


昨日、定性調査に長けた方々と飲む機会がありました。
で、まぁ色々と話をしているウチにモクモクと心に浮かぶものが。


自分の分析するデータのバックグラウンドを肌で感じること。
当該の事象について直接理解を深めること。
理解の蓄積と当該の事象が共鳴すること。


「これって、僕の尊敬している定量分析者も持っている視点だよなぁ。」


もちろんデータ自体を特定のフレームに沿って、あるいは様々な視点から分析することで現象を把握することも重要です。
ですが、無数のデータの切り口から特定の目的に沿った有益な情報を引き出す際に、上述のような体験が表面的あるいはちょっと掘り込んだぐらいでは明らかにならなかった(浅い理解であった)ことに導くことがあるように思います。


「仮説構築の過程が定性的なデータから導く洞察によって洗練される」と一言で言ってしまえば、それまでなのですが、これができる・できないで定量分析者としての技量に大きく影響をするように思います。
(僕などはまだまだまだまだです。。。)


定量・定性という区別は手法上や収益分類上では意義はあると思いますが、データ分析者としてのスキルとしては区別すべき(選り好みすべき)ではないのかもしれません。


手法がどんなに新しく『次世代』になっても得られる「データの質が『劇的』に変化すること」はあまりないと思います。
したがって、新しい知見が容易に得られるわけではないでしょう。
それに対する分析者も『次世代』に進化しなければ、『次世代』リサーチとは言えないのかもしれません。

今日はここまで。