定量とイノベーションと違和感

○多言語facebookページで世界を相手にビジネスを!新興国・BOP市場を攻略する切り札「エスノグラフィー」


この文章の中に、

しかし、今となっては、『タッチパネルのストレート』である、iPhoneをはじめとするスマートフォンが爆発的に売れているのは、言うまでもない。「複雑化する世界では、アンケートのような従来の手法によって、イノベーションは出てこない」と上平氏は指摘した。


とあるのですが、「アンケートからイノベーションを生む」っていう発想って従来からあるんですかね?


よく「従来は顕在化していなかった特性を発見する(インサイト、的な?)」手法として、エスノグラフィーとかオンライン定性調査とかあげられます。
それはそれで納得できるんですけど、あたかもそのアンチテーゼとして定量が位置づけられて、インサイト発見には定性のほうが優れているんですって主張もされます。
・・・それって、昔からそうですよね。


定量って、様々なデータ(それは定性調査であったり、売り場での体験であったり、マクロの動きであったり、カンであったり)で紡がれた仮説検証に従来から用いられてきています。
要は活躍する場、得意分野が違うわけです。
また、仮説なき網羅的(いや、網羅ですらない寄せ集めの場合もある)項目から、インサイトは出にくいことは当然です。


アンケートというスペックだけを取り上げて、イノベーションを出てこないっていうのは、ドリルに向かって「お前で釘打てないんだけど、使えなくない?」と言っているのに近いように感じます。


クライアントサイドはともかく、リサーチ会社の人は当然この特性を理解しているのだから、オンライン定性やソーシャルメディアによるリスニングをただ賛辞するだけではなく、その「違い(≒それぞれのメリット)」を提示していくのがよいと思います。
それがそれぞれを効果的に使うことにつながるのではないでしょうか?


今日はここまで。