世界ゲーム革命
昨年末から放送されたNHKスペシャル「世界ゲーム革命」の書籍版です。
放送時はチラっと見ただけだったので、書籍で初めて全容をフォローできました。
過去、ハード・ソフトで席巻していた日本の勢力が、北米を中心とした勢力にシェアを奪われつつあること、その背景に開発姿勢の大きな差異があること、日米のクリエイターの視点と今後のゲームの進化の方向性など内容は多岐にわたります。
当然、Nスペ取材班のフレームが入りこんでいて(これ、実は結構強烈なように思います)、どれだけ客観性があるかはちょっと慎重になるのですが、エンターテイメントとしてのゲームの発展について押さえることができるでしょう。
この書籍を手に取るきっかけは、僕自身がエンターテイメントとしてのゲームについて理解が浅いと感じることがあったためです。
オンラインゲーム(特にソーシャルゲーム)は裏側で綿密なデータ解析をしていることが知られています。
その仕事に自分が従事する機会がオファーされたら、果たして承諾するだろうか、ということを話す機会がありました。
僕自身は今の仕事ではやるべきこと・やりたいことがあるし、「まぁ受けないよな」と思っているのですが、色々と話していくうちに「ゲームのデータ解析」というポイントに何かしら受諾できない要素があるように思いました。
データ解析をして、何かしらの改善をして、結果として利用者が課金サービスを導入して利益が出て・・・それが社会的意義として持つ意味は。
ビジネスやデータ解析の対象に貴賎はないと思っていますが、自分の中にエンターテイメント産業についての根本的な理解が圧倒的に足りないために意義を見出せなかったように思いました。
結構これは怖いことで、自分の中で勝手にフレームを作ってそれっぽい意思決定しているけど、何のことはなくて当該事象に関する理解が足りないだけじゃないかと。
本書を通じて、ゲームの持つ力・成長性はある程度再認識することができました。
社会的な意義については、今後も考えていく必要があるなぁ、と。
また、ゲームについては社会的意義なんて考えていますが、そもそも今の仕事の社会的意義についても考える必要があると思います。
他人が言った紋切り型の言葉をなぞるだけではなく。