学生がデータ解析に関するインターンに携わる是非

twitterをやっているとベンチャー系の企業がインターンの学生を募集しているのを見つけることがあります。
以前に比べると、学生とインターン先の企業のマッチがしやすい環境になっていると思います。


インターンは、企業としては安いコストで、ある程度優秀な人材を獲得できるのですから、猫の手も借りたい状態であるほど便利な制度だと思います。
上手くいけば、貴重な優秀な人材を大手企業に奪われることなく正社員として獲得できるでしょう。
学生としても、社会人経験やビジネスの視点も学べる絶好の機会、といえるかもしれません。
ただし、これはメリットだけを注目した場合です。


先にタイトルの「是非」の僕の答えを述べると、「どちらでもない」です。
メリット、デメリット双方あります。
ですから、学生はインターンの応募する際は、その双方をよく吟味したほうがよいと思います。


僕が知っている領域は「データ解析」ぐらいなので、その領域での僕が考えるメリット・デメリットを書いてみます。


〇メリット

  • お金が稼げる
  • ビジネスの視点を「頑張れば」学べる
  • 一緒に働く人たちから、スキルを学べる
  • 一足先に社会人経験を「体験」できる


〇デメリット

  • 時間がとられる


明確なデメリットは一つぐらいかと思います。
「時間がとられる」。
週何日かはフルタイムで拘束されるでしょうから、確実です。
一方で、メリットの「数」は結構あると思います。数だけ比較したら、メリットのほうが目立ちます。
ですが、このデメリットの持つ意味合いは、メリットのトータルの大きさに匹敵すると、僕は思います。


以下は、
学生がデータ解析を将来の仕事にしようと考えて勉強している
ことを想定して書きます。


僕自身、30歳ぐらいまでに勉強したことで、データ解析スキルの土台が築かれると思っています。
新しいことを学ぶにしても、過去の蓄積の範囲で吸収することになるでしょう。
その土台の構築は、30歳までくらいかと。
しかも、まとまった時間がないと土台を作ることは難しいように思います。
きちんとした指導者や環境のもとで、時間と負荷をかけて数年単位で毎日、勉強・研究をすることで基礎を作っていくことがよいと思います。
(極稀にそうしたフェーズなしに、自力で基礎を身につけている方もいます。しかし、ごく稀です。)
この基礎を作るまとまった時間は、学生の時代(18〜25歳)が最も良い時期だと思います。
またこの基礎の内容ですが、当該領域の歴史や最新の動向、その後ろに横たわる思想などが多いと思います。
ハンドリングの技術やソフトウェアの操作は、もっと後からでも身につけられますし、データ解析の本質ではないと僕自身はおもっています。


10年先までの成長を考えたときに、土台を築く時間を削ることは有益だとは思いません。
ですので、「時間」の使い方をよく考えて、インターンなどへの参加も考えて欲しいと思います。
インターンで得られる経験の多くは、いずれ企業に就職する場合は否応無く経験します)


一番いいのは、「土台を作りながら、社会勉強もする」選択かもしれません。
その場合は、寝る時間なく動くことになりますし、周囲の理解も必要だということは理解しておいて欲しいと思います。
また、どちらかを一生懸命やっている人には敵わない場合もありますので、それも理解しておく必要があるでしょう。


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僕自身は夏季限定のインターンで、とある企業で顧客満足調査データを分析する仕事をしたことがあります。
指導教授の理解があり、参加させてもらう一方で、指導もしっかりしていただきました。
インターンのほうですが、いわゆるビジネスの勉強にはさほどなりませんでした。
夏季限定のお客様、のような位置づけですので当然といえば当然です。
でも、実際にビジネスの場で働いている様子を体験できたのはよかったのかなぁ、と思います。