男の作法

○男の作法

たまたま見た雑誌に紹介されていたので読んでみました。


池波正太郎の語りおろしをまとめたもので、昭和56年の作品。
「立ち振る舞いはかくありたい」という視点で衣食住について語っている。


ダンディズムを気取るとかそういう類の話ではなく、述べていることをシンプル。
「周りに気を配れる人間」という生き方を薦めているように思いました。
池波氏本人も本書のタイトルに納得がいっていなかったようで、たしかに「男の作法」というよりは、「社会人の作法」といったほうがよいかもしれません。


食についても一番美味しい食べ方に気を配り、贈り物の内容などについても貰い手のことを考え、嫁姑関係にも気を配る。
この点は月日を経ようと普遍なのかなぁ、と思います。


なお、今から30年以上前の話なので、ずいぶん現代と生活習慣が異なることがあります。男女雇用機会均等法すらできる前です。なので、本書を読むときは「そのときはそういう考え方もあったのだ」という視点で読む事をお薦めします。
それを含んで読めば、本書の本質が見えてくるのかなぁ、と思います。