イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

○イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」

『マーケティング・リサーチの寺子屋』さんでお薦めされていた本で、早速読んでみました。


表現は平易で比較的読みやすい本なのですが、なかなか読み終わらず、読了までに時間がかかりました。
それは、僕が今進めている分析や研究の進め方と照らし合わせながら読んでいたからだと思います。
本書の内容は実戦的で、かつ刺激的です。


本書では、「生産性」をあげる方法について首尾一貫して記述しています。
問題に対する解の明確さだけでなく、自分の置かれている局面において問題に答えを出す必要性の高さに着目して取り組むべき仕事の指針を得る。
そういった、小手先のテクニックではない、思考やタスクの進め方の本質にフォーカスを当てています。


この点は私たちの周りにはよくある話で、残業や徹夜を重ねて努力しても、アウトプットが期待値に満たないケースは散見されます。努力の結果、解の精度は高いのですが、取り組んでいる問題が、解き明かすべき価値がないものにすりかわっているなど。
これは本書でいうところの「イシュー」の設定が十分でないために起こることです。


本書で述べられていることは他のビジネス書であげられているものでもあります。
ですが、一冊の本に凝縮され、わかりやすくまとめられている本書の価値は非常に高いように思います。


一読して身につけられるものでもないでしょう。筆者が述べているように、経験することを通じて、まさに体得するものだと思います。
自分の進めているタスクのやり方と照らし合わせて、自分もまだまだまだだな、と痛感しました。
本書を見返しながら、さらなる研鑽が必要です。


企画・分析に携わる人は本書のエッセンスを知る・知らないでは大きくアウトプットのレベルに差が出てくると思います。


願わくば、筆者のような先達の下で指導を受けてみたい。
そう思わせる本です。