ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業

○ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業


HBS教授のヤン・ミムン氏がブランドのコモディティ化とそのブレイクスルーについて、わかりやすく語っています。


序盤で筆者が述べているように、決してわかりやすい構成になっているわけではありません(読みやすいですが)。
一度現れた概念がケースとケースの前後を飛び交うような文章構成になっています。
このため、特定の箇所に注目してエッセンスを得るというより、文章を読みながら頭の中に浸透させていくようなイメージです。


さて、内容ですが、様々なケースに基づいて、現在のブランドが陥っているコモディティ化について言及しています。
この辺りは恩蔵氏の「コモディティ化市場のマーケティング論理」も詳しいですが、本書のほうがよりわかりやすい構成になっています。


また、コモディティ化のブレイクスルーとして以下の3つの視点を挙げています。

  1. リバースブランド
  2. ブレイクアウェーブランド
  3. ホスタイルブランド


ブランドの消費者に対する知覚差異を生み出す方略としてあげています。
これらはMECEな訳ではなく、あくまで差異を創出する1つの視点であるとしています。
なるほど、この点はよく「ヒット商品を生み出す」的な本で指摘されている部分でもありますね。


個人的な印象として、あまり新しい概念がある訳ではありませんでした。
が、展開されている視点は今後のブランド戦略構築においては、必ず押さえておかねばならない内容といえるでしょう。
一読の価値はあると思います。


また、後段でコモディティ化市場での市場調査について触れられています。
結局、バランスよく活用しましょう、という論旨。
こういうケースで「市場調査」と全てのリサーチが一括りにされてしまうのは個人的に違和感を感じるところです。


今日はここまで。