統計を専門教育で学んでいなくても統計分析が上手な人

タイトルの通りなんですが、ごく稀にそういう方がいらっしゃいます。
独学でバリバリやった方もいらっしゃるようですが、どちらかというとサラリと専門書に目を通して理解している印象ですね。
各分析のポイントを理解して使い始め、実践経験と共に、詳しい人へのQ&Aを通じて洗練させてきたのだと思います。


総じて、こうした方は様々なタスクの取り組み方が上手で、かつ視野が広いです。
所謂、「地頭が良い」と分類されるのかもしれません。
自身の頭の中での整理、体系化に優れ、データの解釈に必要な様々な状況を理解する力も持っています。
こうした方が、数は多くないとはいえ、いらっしゃることに初めは驚いたものです。
学生時代にお世話になっていた先生(リサーチ会社勤務)が、「華々しく世に名を轟かせているわけではないが、優れた人が実務の世界にはいる」という主旨のことをおっしゃっていましたが、正にその世界です。


僕はこうした人が育つ土壌を作ることに興味があります。


一方で、それなりに専門教育を積みながらも実務の視点がともすると薄くなる「実務家」もいます。
ビジネスが主語にならず、統計・解析が主語になってしまう。
概して、そういう場合、具体的なアクションの方向性の指し示し方が弱い結論を導く傾向があります。


これはもちろん自戒をこめてなのですが、手法・スキルがバズワードとして先行しがちな世の中ですので、ビッグデータだ、なんちゃらマイニングだといっても、そこから出てくるアウトプットからアクションの方向性を、適切な抽象度で導くことが実務のデータ分析屋なのだと考えています。
そのためには、会社のしくみ、業界のしくみ、社会のしくみを知る・経験することが重要です。
個人が全てを経験することは難しい場合はチームで実現していくことになります。
場合によっては、分析屋はマネジメント力(特にリーダーシップ)が必要になるでしょう。


こうした場合、やはり最初に話したような人物像に近づいていくのですね。
「統計を専門教育で学んでいなくても統計分析が上手な人」は優れたビジネスマンの一つのスキルなのだと思います。