JMRXで喋ってきた

昨日はJMRX勉強会でした。


〇JMRX勉強会【次世代マーケティングリサーチ】


メインは萩原さんにお話いただいて、パネルディスカッションの参加者として少しお話させていただきました。
歴戦のリサーチャーの中で・・・恐縮すぎます。
でも、非常に脳が活性化される内容でした。


ちなみに萩原さんが紹介されていたHypeの元記事はコチラです。


詳細の資料や議論は、来週にはおそらくみんなのMR.COMさんで紹介いただけるかと。


パネルディスカッションでは、僕としては若手の不安として少し生意気な提起を挙げてみました。
上手く伝えられなかった気がしますが・・・。


以下、(駄文を)つらつらと。


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僕がここ2〜3年ぐらい考えている課題は、

  • 次世代リサーチを事業化する場合、リサーチ会社の従来の強みは果たして強みとして成立しうるのか

ということです。
前提として、

  • 次世代リサーチのデータサプライヤーはもはやリサーチ会社が主導するとは限らない

という仮定つきですが。
(ここらへんも賛否は分かれるかも。。。)


僕自身は正直、「強み」の存在には疑問を感じています。


こうした提起をする場合、

  • 「分析力」
  • 「データ読解力」

のような強みが引合に出されますが、個人的には、それは「リサーチ会社」の専売特許とは限らないと思っています。
もちろん、素晴らしい分析力を持ったリサーチャーが各社にいらっしゃると思っていますが。
(現状では、こうした強みは「会社」というよりは「個人」に帰属しているように思います。これが「会社の強み」足りえていないのは、今日の話にもあがっていた業界の多くで抱える、効果的な人材育成の課題が大きいように思います。)


次世代リサーチのデータソースによるビジネスにおいて、競合となる相手はリサーチ会社だけではないでしょう。
ソーシャルメディアデータ分析を専業にしている会社、広告代理店、Web系の事業会社、コンサルティングファーム・・・そして、新しく出てくる起業家(こうした状況はWeb調査が立ち上がったときと似ているのかもしれません。)。


そうした市場で新しい価値を創出するために、多くの場合は「既存の強み」を生かすことになるでしょう。
我々の場合は既存手法(Webやトラディショナルな手法を含むアスキング)のオペレーションの精通、でしょうか。
確かにこの部分は現在のリサーチ業界がかなり特化して精通している部分です。
ただ、次世代リサーチへの転換が「既存手法の持つ欠点の克服」を旗頭に掲げたときはこの限りではありません。
そうした意味で、この強みは不安定になるかもしれません。
あるいは、上述の「分析力」を強みに掲げるかもしれません。
しかし、競合企業には、負けていないくらいの分析力を持つ企業は存在します。
事実、マーケティングインテリジェンスを生み出すビジネスはWeb系事業会社で盛んになりつつあるように思います。
そこは熾烈な競争(価格を含む)になるでしょう。
(場合によっては、確たる武器を持たぬまま次世代リサーチに踏み込んでいくのかもしれません。)


まぁ、色々と飛躍のある考えかたですけど、ありえないシナリオ、とも言えないのはないのでしょうか?


こうした中で「強み」となりえることは何か。何を磨いていくべきなのか。
それを考えることがしばしばあります。
もちろん・・・よくわかりません(笑)


一つ考えているのは、「分析力」の定義を具体的に行い、強化をしていくべきだと思います。
各種リサーチ手法のコーディネート能力もそうでしょう。
また、「各業界に特化したリサーチコンサルタント」の養成も必要だと思います。
これは今現在も僕たちが標榜している立場とも言えます。
が、今私たちが標榜している以上に、食品なら食品、飲料なら飲料、化粧品なら化粧品、クルマならクルマ、特定のサービスなら特定のサービスについて、リサーチプロセス・マーケティングプロセス(上市前後、店頭、流通など)・市場環境・市場動向の事情に通じていく必要があるように思います。
「データはあるから、分析はコンサルに頼むから、いらね。」ってコワイ。。。
この育成は非常に時間がかかると思いますし、場合によっては既存の育成方法とは全く異なる考え方を以ってしか育成されないかもしれません。


同時に「次世代リサーチの開発力」も重要かと思います。
ここで言う開発は「データソースの生成」に限ったことではありません。
昨日のお話にもありましたが、全てを自社開発でまかなうことは、(特にソーシャルメディアリサーチなどは先行事業者も多く)企業規模に関わらず有効とはあまり思えません。
こうした場合は、自社と外部企業の力を融合させる「コーディネート力」が重要になるのではないのでしょうか。
こうした力はリサーチデータへの精通だけでなく、事業経営に関するスキルがモノをいう気がしてなりません。
起業家精神と経験を持ち合わせたリサーチャーの出番かもしれません。


・・・ここまで書くと、「リサーチャー」って今の定義を超えてきますね。
過渡期に入ろうとする時期にいるリサーチ会社の人間としては、不安とワクワクが入り混じった気持ちでもあります。
いや、結構、面白いんじゃないかなーと思っています。
僕自身、統計解析とかコアスキルにしてきましたけど、それだけを考えている場合じゃないな、と。


上記のような人材が本当に必要になるのかどうかはわかりません。
リサーチ市場の環境もどれくらいの速さで変化するのかもわかりません。


ただ、やがて来る変化を想定して、今一度自分のポジショニングを考えていく必要があるなぁ、と昨日の勉強会では感じた次第です。


とりとめないですが、今日はここまで。