FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

ビル・ゲイツが昨年選んだ本のひとつにあったので興味はあった。
https://gigazine.net/news/20181205-bill-gates-best-books-2018/


洋書ね・・・、うーん積読も多いなかツライなぁ、ということで手が出ずにいたのだが、
1月ど頭から訳書がkindleで読めるということでポチった。


著者の名前は「どっかで聞いたことあるなぁ」とか思っていたら、あぁTEDですごいビジュアライゼーションで話題になった人かと読みはじめて思いだす。


本書は、個人の知識によらず、強力に人々の判断を支配する、10の思い込み(本能)を定義し、データと事例に基づいて紹介していく。
著者は公衆衛生学者でフィールドワーカーであり、その生々しい事例に引き込まれるし、10の本能からいかに人々が逃れられないかをこれでもかと思い知らさせる。


とはいえ、各思い込みに対抗する上でのヒントをマインドセットや行動の形で提示していくれている。
救いだ。良書だ。


では、このヒントを実践すれば・・・と短絡的にいかない。この実践はなかなかにハードルが高い。


「データを集め、可視化をする。」


集めやすいデータを可視化するのは容易(それでも「メンドウだ」と思う己とは戦わなければならない)だが、集めにくいデータを集めるのは、適切なタイミングでそれなりの「仕掛け」を作らなければならない。それには準備が必要である。ノウハウも必要である。


だからこそ、本書の重要性は高まる。(とくにデータに携わる仕事の人々には)
データを集め、事実に接近していくことの重要性に気づくことで、どう「工夫」をするかに思考は張り巡らすようになる。
そして、バイアスにとらわれず検証課題を設定できるか、にもかかわる。


あと、人間生きていると色々とパニックになることも多い。このときに状況を冷静に見つめるための視座を獲得できる点でもよい。


今の自分が読んで得られるものと、もう少し前の自分が読んで得られただろうものと、これから先の自分が読みかえして得られるものが結構違うのだろうな・・・と思って読了した。